[原子力産業新聞] 2003年1月23日 第2170号 <6面>

[京大原子炉実験所] 学術講演会を開催

京都大学原子炉実験所では、熊取キャンパスにおいて1月29日、30日の2日間にわたり、学術講演会を開催する。これは全国共同利用研究所である原子炉受験所で所内外の研究者により、その年に行われた研究成果を一般に公開して発表するもので、今年は37回目。毎年の研究成果が発表されるほか、今年3月に定年退官予定の5人の教授、助教授の記念講演も行われる。

29日に行われる成果発表の中では、小野公二教授等のグループによるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で、X線や重荷電粒子線では治療が不可能な浸潤性ガンに対する熱外中性子を利用したBNCTの有効性および肝腫瘍への応用の可能性を示す基礎研究報告などが注目される。

また、井上信教授(現所長)が最先端の加速器建設に携わってきた苦労話や研究者のあるべき姿勢等について退官記念講演を行う。

30日に行われる退官記念講演では、齋藤眞弘教授が放射性トリチウムに関し生体内での動態、環境中での動態や生物影響について、また、武内孝之助教授は独自に開発した放射化分析法によってシリコン半導体中不純物分析や毛髪中の元素分析による公害病の原因物質の同定を行った結果についての講演等が予定されている。詳しいプログラムは原子炉実験所ホームページに掲載。問お合せは、同実験所・総務課庶務掛(電話0724−51−2300)まで。


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