[原子力産業新聞] 2003年2月6日 第2172号 <1面>

[米国] ITER復帰を決定

米エネルギー省(DOE)のエイブラハム長官(=写真)は、1月30日、プリンストン大学プラズマ物理研究所で講演、米国が国際熱核融合実験炉(ITER)に復帰すると発表した。米国は民主党政権下の1998年7月、議会の要求によってITERから脱退しており、4年半ぶりの復帰となる。DOEは、米国がITER建設費の約1割にあたる5億ドル(約600億円)を拠出する意向を示した。

エイブラハム長官は講演で、「今日産まれた子供の生涯中に、世界のエネルギー需要は現在の3倍に増える」とし、核融合が、安全かつ面倒な廃棄物を出さず、核拡散の恐れがないだけでなく、すべての国が入手可能な燃料を使うことができると、その特質を強調した。さらに、21世紀は科学にとってもグローバル化の時代で「国際協力が不可欠」とし、「核融合からの電力を送電線にのせる」という目標を実現するために、国際的な努力を行うべき時であり、ブッシュ大統領がITERに加盟を決定した発表した。

エイブラハム長官は、「幼い子が中年にさしかかる頃には、すべての国の人々に、核融合がエネルギーでの独立と豊かさをもたらすだろう」と期待を表明した。

ITERにはEU、日本、ロシア、カナダに加え、最近中国も参加したとし、ITER建設に向けて、米国は機器の供給、ITER建設管理プロジェクトへの参加、科学技術研究などに参加し、約五億ドル程度拠出するとしている。

現在の計画では、ITERは熱出力50万キロワット、2006年頃に建設を開始、14年頃から20年間にわたって、500秒以上の連続プラズマ燃焼などの実験を行う計画。

ブッシュ大統領は同日、声明を発表、他の参加国と協力して核融合を実用化するとの意欲を表明した。


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