[原子力産業新聞] 2003年2月6日 第2127号 <1面>

[米国] ブッシュ大統領が一般教書

ブッシュ米大統領は1月28日、米議会の上下両院合同会議で一般教書演説を行い(=写真)、北朝鮮やイラクの核兵器など大量破壊兵器開発問題に言及した。一般教書は年頭にあたって、大統領が議会に対し、内政・外交全般の状況と方針を説く演説で、昨年の一般教書では「悪の枢軸」の文言が使われ、波紋を呼んだ。

ブッシュ大統領は一般教書の中で、北朝鮮に対して核兵器開発を放棄し国際社会との調和を図ることで、経済的苦境を脱するよう求めた。一方、イラクに関しては、フセイン大統領が大量破壊兵器を放棄していないだけでなく「欺瞞を使っている」とし、5日に国連安保理の招集を要請、この席でパウエル国務長官がイラクの大量破壊兵器開発に関する秘密情報やテログループとの繋がりなどを説明すると述べた。フセイン大統領が自ら大量破壊兵器を完全に放棄しない限り、「同盟国を率いて彼を武装解除する」と強調した。

北朝鮮について同大統領は、「圧政的な体制により、人々が恐怖と飢えのなかで暮らすことを余儀なくされている」とし、北朝鮮は「世界を欺き、核兵器を開発してきた」と述べた。北朝鮮は「恐怖をあおり譲歩を得るため」核兵器開発計画を使っているが、「米国と世界は脅迫されない」と述べた。

北朝鮮が核兵器の野望を捨てれば、国際社会の尊敬と国の復興を勝ち得ることができるとし、核開発計画の中止を強く促した。


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