[原子力産業新聞] 2003年2月6日 第2172号 <2面>

[原子力安全・保安部会] 維持基準に機械学会規格検討

原子力安全・保安部会の原子炉安全小委員会が1月30日に開かれ、維持基準の策定にむけて審議を行った。日本機械学会から維持規格(2000年版)の概要説明と、保安院から同規格(2000年版)の技術評価の検討状況をそれぞれ聞き、今後の検討の進め方等や課題について議論した。

日本機械学会の2000年版維持規格は、運転開始後における発電用原子力設備の維持に関する技術的諸規定を定めたもので、ボイラ圧力容器規格として世界で広く使われているアメリカ機械学会規格の発電用原子力設備維持規格Sec.XIをベースとして、最新の技術的検討結果を加えて、従来の国内の技術基準(発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令および同構造等の技術基準)との整合性も考慮したもので、圧力容器や配管など第1種機器(原子炉冷却材バウンダリ構成機器)に類する機器の欠陥評価の方法や許容欠陥基準を規定している。

この日の小委で原子力安全・保安院は、この規格を国内の関連規制に反映できるかどうかの検討状況を説明。

同規格の各項目について、改善点等はあるものの、おおむね妥当との評価結果が得られつつあるとした。また日本機械学会では、2002年10月までに、欠陥評価の対象機器の範囲を広げ、供用期間中検査の規定も追加した2002年版の維持規格をとりまとめており、保安院ではこの規格に関しても別途ワーキンググループを設置するなどして検討、評価する考えを示した。

先に成立した電気事業法の改正は今年10月に予定されており、保安院では今夏にも関係省令や技術基準の改定案をまとめる方針で、同小委での維持基準についての議論、また保安部会に設けられた検査のあり方に関する検討会を通じた原子力発電所の検査制度の見直し等の議論もあわせて進め、整合性のとれた原子力発電所の規制制度見直しを進めていく考えを説明した。

原子炉安全小委は次回を3月中に開催して、機械学会の維持規格の技術的な評価をさらに具体的に審議することにしている。


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