[原子力産業新聞] 2003年2月6日 第2172号 <2面>

[原子力安全・保安部会] 原子力安全文化のあり方を考える

原子力安全・保安部会に設置された「原子力安全文化の在り方に関する検討会」が1月30日、初会合を開き、ヒューマンファクター研究やIAEA(国際原子力機関)、原子力安全委員会等の原子力安全文化に関する取り組みを聞き、今後の検討の進め方などの審議を開始した。同検討会は東電不正問題等を踏まえ、原子力事業者及び関係企業、従業員が共有すべき安全確保のための価値観、態度、行動様式、組織風土等安全文化の在り方について検討を行うとともに、安全文化醸成のために原子力事業者として取ることが望ましい方策及び規制当局として取ることが望ましい方策等についての提言を行うために設置された。

検討に出席した原子力安全・保安院の片山審議官は、原子力安全文化の問題について同検討会での提言等について「規制当局としてどう生かしていくか、また事業者がそれをどう具体化して実践していくかが重要」とし、同検討会での議論を踏まえ、安全文化の醸成に一層取り組んでいく姿勢を示した。

各委員からは、ヒューマンファクター研究など過去の知見の蓄積をどう生かすのか、現場の声を踏まえて議論しないと表面上の議論になる、などの意見がだされ、同検討会での安全文化の議論を実効あるものにすべきとの発言が相次いだ。

今後、検討会では原子力産業以外の食品、医療、航空分野等から講演者を招き安全文化への取り組み状況を聞いて議論を重ねる方針。今年の6月目処に、規制当局、規制をうける事業者が安全文化醸成にどう取り組んでいくか提言にとりまとめる。


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