[原子力産業新聞] 2003年2月6日 第2172号 <3面>

[フィンランド] TVO5基目の一般建設認可申請

フィンランドのエネルギー産業連合会(FINERGY)によると、同国で5基目の原子炉建設を計画しているティオリスーデン・ボイマ社(TVO)は1月21日、ロビーサとユーラヨキの両建設候補地における一般的な建設工事の認可を申請した。

これらのうち1件は、建設工事が始まった場合、河川や大気中に放出される物質の影響に関する認可で、西フィンランド環境認可局が申請書の審査を担当する。もう1件は原子炉の立地で最終決定が下された際、公道の下に通す水パイプに関するものだという。

サイト候補地である2地点にはすでに既存の原子炉が2基ずつ稼動中だが、TVOは両候補地の自治体に対しても「サイト準備作業」の実施を申請。同社としては年内にはどちらのサイトに原子炉を増設するか決定したいとの考えを明かにしている。TVOは現在、出力100万〜150万キロワットの原子炉を入札している段階で、原子炉建設のための特別認可を政府に申請するのはメーカー選定後になるとの見通しを示している。

なお、既存原子炉四基による昨年1年間の総発電量は合計214億キロワット時で、前年実績の225億キロワット時から5.1%の減少となった。具体的にはユーラヨキに立地するTVOのオルキルオト発電所で発電量が1億キロワット時低下したほか、フォータム社が操業するロビーサ発電所でも8億キロワット時減った計算。平均設備利用率も下降気味だが、ロビーサ2号機の89%以外はすべて90%台という結果になっている。


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