[原子力産業新聞] 2003年2月27日 第2175号 <3面>

[英BE社] 再建計画で債権者と合意

昨年秋に財政難に陥っていた英国の原子力持ち株会社であるブリティッシュ・エナジー(BE)社は14日、同社の経営再建計画について大口債権者達と正式に合意したことを明かにした。これを受けて英国政府は同社への財政支援期限として設定されていた3月9日以降も同社に国庫補助を行えるよう、同日までに欧州委員会から承認を取りつけることになった。

BE社の長期的な経営再建計画は昨年十1月28日に同社の会長職に就いたA・モンタギュー氏の元で策定されたもので、大口債権者達や同社の原子力発電所に燃料を供給している英原子燃料会社(BNFL)に対する支払いの一時据え置き、同社が北米で保有していたアマージェン社株やカナダのブリティッシュ・パワー(BP)社株の売却などが提案されていた。

今月7日にBE社は、国内の電力会社であるセントリカ社に今年4月から4年間にわたり、ベース・ロードとピーク・ロードを組み合わせて合計380キロワット時を(うち半分は固定価格で)供給する契約を締結。これに続いて十日に開催した同社の臨時株主総会では、保有していたBP社株82.4%の売却について株主から承認を得ていた。これらを受けて、今回、BE社の大口債権者とBNFLは条件付きで支払い据え置き協定を正式に締結することに合意。また、再建計画の提案に対する要求事項についても、これらを承認、妥協、配賦することで原則的に拘束力の無い協定を締結したとしている。

英国政府は今回の合意について、「BE社の努力には目覚しいものがあるが、完全な実施のためにはまだまだやるべきことはたくさんある」と指摘。政府としては原子力発電所における安全確保と電力の安定供給のためBE社支援に力を尽くすが、再建計画が失敗に終わった場合の措置についても準備しておきたいとコメントしている。


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