[原子力産業新聞] 2003年3月6日 第2176号 <1面>

[原子力安全・保安院] 溶接自主検査体制の特別検査結果

経済産業省原子力安全・保安院はこのほど、「東京電力の原子力発電所における「溶接自主検査実施体制に係わる特別な調査」を実施。結果を四日に発表した。

昨年10月に経済相が、東電に対して特別な調査の行政措置を講じるよう保安院に指示。これを受けた保安院では調査の一環として、同月付けで東電に対し、00年7月1日から02年9月30日までに終了した溶接自主検査の実績と、溶接自主検査実施体制について報告を求める(同年12月に受領)とともに、今年1月27日から2月5日にかけて、福島第一、同第二および柏崎刈羽の三発電所に対して立入検査を実施し、報告に基づく溶接自主検査の実施体制の維持状況と、実行状況について調査を実施した。その結果、保安院は(1)報告された溶接自主検査の実績及び、溶接自主検査記録は適正(2)溶接自主検査の実施体制に関し、いくつかの改善を必要とする事項が見られたものの、実施組織は十分な体制を維持し、実行されている(3)溶接自主検査の実績と記録に関する報告徴収結果について、その件数と内容に相違がない――ことを確認したとしている。

また立ち入り検査では、十分な体制(継続的な品質システムを構築した体制)を維持・実行しているかを調査。判断する基準との適合性について不適合は認められなかったものの、溶接事業者の選定手順についてマニュアルに記載が無いケースなど、いくつかの改善を必要とする事項が認められたとしている。これらの事項に関し、東電は保安院に対して、マニュアルの改訂等の改善方針について報告。保安院は、それら方針を「妥当」と判断している。


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