[原子力産業新聞] 2003年3月6日 第2176号 <2面>

[JCO] 元所長ら執行猶予付きで有罪判決

茨城県東海村の「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所で1999年9月に発生した臨界事故で、業務上過失致死罪などに問われた当時の事業所長・越島建三被告(56)ら六名と同社に対する判決が3日、水戸地裁で行われ、同社に求刑通りの罰金百万円を、また越島被告に禁固三年、執行猶予五年、罰金五十万円。ほかの五名の被告にも執行猶予付きの有罪判決が言い渡された。

判決では、社会に与えた衝撃がきわめて大きいこと、原子力の安全性に対する国民の信頼を揺るがしたこと等JCO事故の重大性を指摘。

そのうえで企業には最大限の量刑が相当とした。その一方で、被告人については、企業の一員であったことを考慮し、過度に重い刑を科すことで、個々人の責任を問うべきでないとの認識を示している。

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JCOは99年9月30日に、作業員が許可制限量の七倍というウラン溶液を臨界を防止する形状をとっていない沈殿槽に注入して、臨界事故を起こした。作業員二名の人命が失われ、付近住民の避難が行われるなどの国内の原子力関連事故として未曾有の重大事故となった。

JCO事故を機に国の原子力防災関連法が成立し法制度の整備が行われ、医療面の対応や、全国にオフサイトセンターと呼ばれる防災の拠点が整備され防災体制が強化されるなど、対応が進められている。


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