[原子力産業新聞] 2003年3月6日 第2176号 <3面>

[ロシア原子力学会] 「国内に原発必要」

ロシア原子力学会が2月20日付けで伝えたところによると、ベラルーシのA・ルカシェンコ大統領は同国内に原子力発電所を建設する意義を改めて強調した。

同大統領はすでに昨年五月、国内に原子力発電を導入する準備としてロシアの原子力発電所建設計画への参加を希望していたが、今回はベラルーシ国立の情報科学・放射エレクトロニクス大学におけるスピーチでこの考えを表明したもの。国内に独自の原子力発電所を所有することはエネルギー分野において特に、ベラルーシの主権と独立性の基礎を形成するなど、非常に合理的なことだと指摘している。ただし、実際の建設には同国民の支援が不可欠との認識である点も明確に示しており、八六年のチェルノブイリ事故に起因する原子力発電所に対する恐怖症をまず克服しなければならないと強調した。

ベラルーシは国の周囲をリトアニアのイグナリナ原子力発電所、ウクライナのロブノ、チェルノブイリの両発電所、およびロシアのスモレンスク発電所で取り囲まれた形になっており、電力供給はロシアとリトアニアの原子力発電所に頼っているのが現状。ルカシェンコ大統領はベラルーシの独立を保証するためにも原子力発電所の存在は非常に有効だと訴えている。


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