[原子力産業新聞] 2003年3月6日 第2176号 <5面>

[エナジス] 法令データベースを開発

三菱重工業の子会社であるエナジス(本社=神戸市、松岡強社長)は、原子力に関係する法令を閲覧しやすく整備した「原子力法令データベース」を開発した。

同データベースは、原子力発電所の設計、建設に際し、技術者が日常的に参照する原子炉等規制法、電気事業法、安全審査指針、その他関係法令の電子化データを汎用ソフト「アクロバット」で加工し、サーバに格納して設計者が自席のパソコンから社内LANを介して容易にアクセスできるようにしたもの。

昨年7月、政府は「知的財産戦略大綱」を発表し、産官学を上げて知的財産立国を目指し積極的な施策を次々と推進させており、一般企業においても法令遵守についての厳しい考え方が浸透してきている。特に原子力発電プラントについては、設計、製作、建設段階において木目細かく法令、政令、省令、通達等で規制され、法令遵守の一層の徹底を図るため、技術検討の作業性の向上や許認可対応技術の伝承に貢献できる整備された電子化法令データベースが求められていた。

今回、同社が三菱重工業神戸造船所と共同で開発した同データベースの特徴は、リンク機能と注釈。法律から政・省令の該当条項へのリンク張りや、長年原子力プラント建設で培われたノウハウを解説として付記している。また、電子メールと組み合わせて、法令を参照しながら疑問点を自由に質問し、直ちに専門家の回答を入手できる仕組み。

これらのデータは総務省法令データ提供システムや、財務省印刷局官報情報検索サービスから入手し、最新化を図る。昨年末公布された電気事業法等一部改正法(未施行)などについてもこれを反映した電気事業法完本版に編集済みという。

同データベースは2001年度に整備完了し、現在は三菱重工業の神戸造船所、原子力技術センター、高砂製作所で活用されている。ビジネスモデルの特許も出願済み。


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