[原子力産業新聞] 2003年3月27日 第2179号 <7面>

[GE横河メディカル] 頭部用MRI発売、放射線科・脳外科を主対象に

 医療用画像診断装置メーカーのGE横河メディカルシステムは、3テスラの磁場強度をもつ頭部用MRシステム(磁気共鳴断層撮影装置)「Signa3.0T(シグナ・サンテンゼロ・テスラ)」(=写真)を4月11日から全国の大学病院ならびに地域の基幹病院の放射線科・脳外科を主対象に発売する。3テスラ装置のMRの発売は日本初。従来の最大磁場強度1.5テスラ装置の2倍の高画質撮影を実現、脳神経血管の病変部の早期発見に貢献できるという。価格は17億5000万円。初年度国内で10台の販売を見込んでいる。

 同装置は米ゼネラル・エレクトリック(GE)の技術を結集し、3テスラ装置のMRとしては日本で初めて薬事承認を獲得した頭部用MRシステム。1.5テスラ装置に比べて2倍の磁場強度をもつことで、最大2倍の高精細画像撮像ができるようになり、詳細なデータの収集や多様な検査、より高度な精密診断が可能。微小な脳動脈癌や脳梗塞など脳神経血管の病変部の早期発見に大きな力を発揮できる。また、従来装置と同レベルの画質での撮像の際には、二分の一の時間での高速撮像が可能となり、従来と同レベルの画質で読影可能な診断、またはルーティン検査の撮像時間を短くすることができるとともに、待ち時間も短縮可能なため患者の負担を軽減できる。

 同社では今後、3テスラの臨床的応用範囲を広げるていくとしている。


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