[原子力産業新聞] 2003年3月27日 第2179号 <8面>

[インタビュー] スントノBATAN 新長官に聞く(1面より続く)

−原子力発電所サイトはどこを考えていますか。

スントノ長官 ジャカルタから約600キロメートル、ジョグジャカルタから250キロメートルの位置にある、ムリア半島のサイトを検討している。同半島には休火山があるが、500年前の噴火が最後で、問題ないと考えており、1996年にサイト調査を実施済みだ。

−核燃料サイクルや廃棄物処理処分はどのように考えておられますか。

スントノ長官 大規模な原子力発電導入が予定されていないことから、核燃料サイクルはワンススルー方式を予定。使用済み燃料の暫定貯蔵所・処分場は発電所サイトから近い中部ジャワを考えている。低レベル廃棄物処分場も発電所近辺を検討する。

−原子力の発電分野以外での利用については。

スントノ長官 マデュラ島に海水脱塩と発電用の小型炉を導入する可能性調査を行っている。原子力技術の農業利用については、米、大豆、緑豆などの品種改良に力を入れており、今年発表の2品種を含め十品種を開発、これらはインドネシア20州の約1万ヘクタールで栽培されている。医学利用では、放射性医薬品の製造、がんの治療などに力を入れ、放射性医薬品の一部はマレーシアなどに輸出している。テクネチウム・ジェネレータ製造では、日本の化研と共同で、高濃縮ウランを使わない方法を研究、プロトタイプ製造装置をインドネシアで製作中だ。


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