[原子力産業新聞] 2003年4月3日 第2180号 <1面>

[サイクル機構] 「ふげん」が運転を終了

 核燃料サイクル開発機構は3月29日、新型転換炉ふげん発電所(定格出力=16万5000キロワット)の運転を終了した。同日午前5時に原子炉出力の降下操作を開始し、午前7時16分に発電機を解列、午後2時27分に原子炉を停止した(=写真)。

 1978年7月29日に初併入してから、約25年にわたる運転を終了した。その間、1988年6月27日には、同炉からの使用済み燃料から回収したプルトニウムの装荷して発電を行い、わが国で初めて核燃料サイクルの輪を完結するなどMOX燃料利用で数々の実績と知見を重ねてきた。

 総発電電力量は約219億キロワット時、発電時間は約13万4437時間、設備利用率は約62%。

 今後、約十年間を廃止措置準備期間として、使用済み燃料の発電所外への搬出、重水系設備からの重水回収・搬出、ふげんの廃止措置計画の具体化に必要な技術開発・研究等を行って、冷却材に軽水を使用した商業炉規模の原子力発電所としては、わが国初の廃止措置という新たな役割を担っていくことになる。

 運転終了後、当面のスケジュールとしては、原子炉に装荷されている燃料集合体224体を全て使用済み燃料貯蔵プールに取り出し、保管する作業を行う予定。作業期間は約五か月。

 また、全燃料取り出し完了後、原子炉に燃料を再度装荷できないようにする措置を施すことにしている。


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