[原子力産業新聞] 2003年4月3日 第2180号 <2面>

[原子力安全・保安院] 国側が最高裁に上告理由書を提出

 原子力安全・保安院は3月28日、1月に高速増殖原型炉もんじゅの設置許可を無効とした名古屋高裁金沢支部の判決に対する最高裁への上告受理申し立て理由書を提出した。原子力安全委員会も安全審査を行った立場から反論する見解を同26日までにまとめ公表した。

 保安院は、理由書のなかで、設置許可を無効とした判決について原子炉等規制法の解釈に重要な誤りがあるとして、「先の無効判決が破棄されるべき」としている。具体的には判決内容が、もんじゅの安全審査で妥当性が認められた事故防止策で安全確保ができないことを具体的に認定判断していないことや、非現実的な仮定で危険性を指摘して安全審査を違法としたこと。また「設計及び工事の方法の認可」など設置許可時の安全審査以降に審査対象とすべき事を、当初の安全審査の対象と解釈してその違法性を指摘していること。さらに行政処分を無効とする場合、過去に「重大かつ明白な違法性が必要」とした最高裁判例を逸脱していること−などを誤りと指摘した。

 安全委も、「安全審査は妥当」との見解をまとめた。(4面に関連記事)


Copyright (C) 2003 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.