[原子力産業新聞] 2003年4月3日 第2180号 <2面>

[中国] 進む中国の新型炉開発A

 中国原子能科学院には、小さいが大変ユニークな研究炉がある。超小型の中性子源炉(微型中性子源反応堆=写真)だ。

 この原子炉のタンクは直径わずか1メートル程度、炉心も水深数bにあり、手を伸ばせば届きそうなところで、青白いチェレンコフ光が光る。

 炉出力は27キロワット、90%濃縮のピン型燃料(直径5ミリ、長さ27センチ)を用い、炉のユーザーがパソコンを使って自動運転する。主な用途は放射化分析や教育・訓練など。1984年に臨界、運転を続けてきたが、2007年頃停止の予定。

 この超小型炉は多くの途上国へ輸出されたことでも知られる。案内してくれた技術者によると、パキスタンをはじめイラン、シリア、ナイジェリア、カメルーンなどに輸出されたという。いわゆる「問題国」が多いのが気になるが、中国が途上国への原子力輸出に力を入れていることがわかる。輸出される超小型炉は、燃料を低濃縮ウランに変えているとのことだ。


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