[原子力産業新聞] 2003年4月25日 第2183号 <1面>

[原産年次大会] 敦賀・福井大会が閉幕

 敦賀市から福井市に会場を移した原産年次大会は16、17日の両日、四つのセッションを開き、原子力発電所の運転管理や最重要課題の高レベル廃棄物をめぐって内外の状況や今後の課題に議論を深めた。16日、福井大会の開幕にあたり、西澤潤一原産会長は、原子力の重要性を強調する一方、一連の不正問題に関して「一般の人々と原子力を取り扱う専門家の間に結ばれていた信頼関係にひびが入り、修復ができかねない事態になりかけている」としたうえで「原子力の安全に対する一般の人々の不安に対しても、常に共感する姿勢をもたねばならない」と、信頼回復への努力を強調した。

 セッション1では「社会の持続的発展−−環境、エネルギー面での挑戦」をテーマに、甘利明衆院議員ら4氏が講演。甘利氏は先に議員立法でまとめたエネルギー基本法の考え方と、そのなかで原子力発電の重要性を述べ、安定供給性と地球環境への対応、経済合理性の三点から原子力発電の優れた特性を活用するとともに、今後の課題になっている廃棄物処分などのバックエンド対策に関しても、政治の取り組みを進めていく方針を示した。

 セッション2では「原子力発電所の運転管理−−新たな取組み」をテーマに、原子力発電所の運転管理のあり方をめぐり活発な議論を展開した。パネリストとして出席した佐々木宜彦・原子力安全・保安院長は、今後の規制のあり方について、維持基準等のルールの明確化、規制側と事業者のコミュニケーション等、透明性のある規制活動など強調した(2、4、5、6面に年次大会特集)。


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