[原子力産業新聞] 2003年4月25日 第2183号 <2面>

[ICONE−11] 広範なテーマで講演、討論

 第11回原子力工学国際会議(ICONE−11=写真)が20日から23日まで東京・新宿の京王プラザ インターコンチネンタルホテルで開かれた。日本機械学会と米国機械学会が共催し、各国から機械工学や原子力工学の第一線で活躍する研究者、技術者などの専門家が一堂に会した。

 初日に基調講演を行った加納時男・参議院議員は、最近の日本の原子力開発の状況などを踏まえ、今後メディア対応を含めてリスクコミュニケーション、原子力発電所の運転管理等における技術基準の整備といった課題に取り組んでいく必要性を強調した。一方で環境面における原子力の役割や、欧米等でみられる次世代炉開発や廃棄物処分等の新たな動き、クリーンエネルギーとして注目される水素製造における原子力の可能性を述べ、今後の原子力の新たな夜明けへの動きを確実なものにするため、ネバーギブアップの精神で取り組もうと呼びかけた。またハワード・ベイカー駐日大使も基調講演を寄せ、ブッシュ政権が打ち出したエネルギー政策における原子力の役割に触れ、米国のエネルギー・環境問題の解決にあたって原子力への期待を示した。

 ICONE−11は、このあと3日間にわたり、次世代炉開発、廃棄物処分を含む燃料サイクルをめぐる諸課題等、広範なテーマのもと講演やパネル討論を行った。また各国の学生が企画するプログラムも設けられ、若手研究者の間での議論も行われた。


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