[原子力産業新聞] 2003年4月25日 第2183号 <3面>

[カナダ] 出水でウラン鉱山が生産停止

 カナダのウラン生産業者であるカメコ社は9日、カナダ・サスカチェワン州のマッカーサー・リバー(ウラン)鉱山で今月6日から発生した出水のため生産が滞っており、完全な復旧まで少なくとも2か月かかる見通しであることを明らかにした。

 同社の発表によると、この出水による死傷者および環境への影響はなく、すべての職員が一時的に退避。状況確認のため再び鉱内に戻ったところ、排水能力が増水量に追いつかない状態で、コンクリート壁の建設に約二週間を要することから、鉱内を完全に封鎖するにはさらに2〜3か月かかることが判明したという。

 マッカーサー・リバー鉱山はカメコ社が7割の権益を握っているほか、残り3割はフランス核燃料公社(COGEMA)が保有。約300名の職員が就労しており、年間の生産量は1870万ポンドとなっている。今回の出水の影響で今年の生産量はこれを下回ることが予想されるとする一方、「十分な在庫量を確保しているため、大きな影響はない」とカメコ社では強調。財政上の被害など影響全般については、現在評価中だと説明している。


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