[原子力産業新聞] 2003年5月22日 第2186号 <3面>

[米・NRC] MOX工場の案全評価報告改訂

 米原子力規制委員会(NRC)は2日、デューク・コジェマ・ストーン&ウェブスター(DCS)社がサウスカロライナ州のサバンナリバーに建設を計画しているMOX燃料製造工場に関して安全評価報告書案の改訂版を公表した。

 今回の改訂でNRCは、「この施設で潜在的に起こり得る事故や自然現象に対する防護対策の合理的な保障という点で、DCSは未だにすべての安全要求項目を満たしていない」との結論を表明。臨界安全性のほか、火災や化学反応に対する安全対策、閉じ込めシステムなど19の公開項目については特に、さらなる情報を提示するよう要請している。

 NRCはすでに02年4月、DCSが初めて提出した建設認可要請の情報に基づき安全評価報告書の案文を改訂。これに従ってDCSが同年10月に建設認可要請の改訂版を提出したのを受け、NRCは最初の評価案で提起された40の非公開項目を列挙していた。

 このMOX燃料製造工場は、米国とロシアの兵器級余剰プルトニウム削減計画の一環として、米エネルギー省との契約によりDCSが建設するもの。余剰プルが兵器に転用されることを防ぐため商業用原子力発電所で使用可能なMOX燃料に変換することを主な目的としている。


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