[原子力産業新聞] 2003年5月29日 第2187号 <4面>

[三菱重工業] 内部告発で3電力が調査

 三菱重工は、同社高砂製作所と神戸造船所の協力会社(A社)の元従業員から、A社で勤務していたとき、高砂製作所から発注された原子力2次ポンプ台板で不適切な溶接施工を行った旨の書状を受け取ったと21日に発表した。この書状で元従業員は、平成元年から6、7年にかけて、少なくとも6台の2次系大型ポンプ(重量約10トン)の台板の製造時の溶接に際し、要求仕様に反して、溶接部に鉄筋を挿入または溶接幅を小さくしたと述べ、三菱重工に対し、A社が自分に4000万円支払うよう口添えを頼んでおり、何も連絡が無い場合は各企業に直接連絡すると述べているという。

 三菱重工は15日、関西電力、四国電力、九州電力の各電力会社に連絡、関電、九電は投書の内容に該当する可能性のある大飯3、4号機、玄海3、4号機の当該部分を検査、いずれも問題のないことを確認、両社は念のため当該ポンプ台板で非破壊検査を行うとしている。四国電力には該当するポンプは存在しないが、念のため伊方3号機のポンプ台板を検査、異常のないことを確認している。

 A社経営者は三菱重工に対し、投書のような事実はないと説明し、また三菱重工も、投書内容のような施工が行われても、台板強度上の問題や法律・技術基準上の問題がないことを確認したとしている。


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