[原子力産業新聞] 2003年6月5日 第2188号 <6面>

[運転速報] 5月利用率43.7%へ低下 BWR運転再開へ高まる期待

 日本原子力産業会議の調べによると、5月のわが国の原子力発電所の設備利用率は、43.7%とさらに続落、昨年来最低を更新した。時間稼働率も45.3%と先月より約10ポイント下落した。これは、4月後半から5月にかけて、9基が定検入りしたため。PWRの利用率は77.5%で先月の95.4%から約18ポイント下落、BWRは18.9%と先月より0.5ポイント下落。

 4月末の段階で全17基が停止していた東京電力の原子力発電所は、柏崎刈羽6号機が5月9日に発電を再開、また5月23日には福島第一6号機の漏洩率試験が終了、柏崎刈羽7号機の漏洩率試験が6月初旬に予定されているなど、夏の高需要期を控えて、運転再開に期待がかかる。

 5月中に定検入りをしたのは、女川2号機、美浜3号機の2基。

 5月に利用率が高かった電力会社は、先月に引き続き日本原子力発電が101.4%の高利用率をマーク、次いで九州電力の84.7%、四国電力の74.3%、関西電力の74.3%だった。PWRの高利用率を背景に「西高東低」は当分続きそうだ。

 原子炉別では、先月に引き続き高浜1号機が104.9%の最高の利用率を達成、次いで先月と同じく伊方3号機(104.6%)、高浜2号機(104.3%)。高浜発電所は、運転中の1、2、3号機とも104%を超える高利用率。

米国の4月利用率は77.9%

 米国の原子力エネルギー協会(NEI)の調べによると、4月の米国の原子力発電所の設備利用率は77.9%で、昨年同期を3ポイント下回った。1月〜4月の利用率は84.5%だった。


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