[原子力産業新聞] 2003年6月12日 第2189号 <3面>

[スウェーデン] 国民の8割、原子力を支持 最新の世論調査

 スウェーデンの世論調査機関であるTEMO社は5月15日、1年前に実施した同様の調査結果に引き続き、最新の調査でもスウェーデン国民の8割が程度の差はあるものの、依然として原子力の利用継続を支持していることが判明したと発表した。

 今回の原子力に対する意識調査は4月22〜24日までの間、16歳以上の国民1021名を対象に実施したもので、原子力の継続利用とエネルギー源としての今後の開発について質問したとしている。その結果、回答者の50%が「原子炉が安全基準を満たしている限り継続利用に賛成」と答えたほか、19%は「炉寿命に達した既存炉は新規原子炉に取り替えるべきだ」との見解を表明。さらに踏み込んで「必要であれば新規原子炉を建設すべきだ」と回答した人の割合は12%に及んでいた。一方、出来るだけ早く原子炉を閉鎖、あるいは徐々に閉鎖していくべきだ」とした人の割合は17%に留まっており、残り2%は「特に意見なし」という反応だった。

 原子力発電がCO2を排出しない電源であるという事実の重要性に関しては、48%が「非常に重要なファクター」、38%が「割と重要」と答えており、これらの肯定的な見解の持ち主だけで全体の86%を占めている。このほかは、わずかに8%が「非常に重要というわけではない」、4%が「まったく重要ではない」と回答した程度。残り2%は「判らない」としていた。

 原子力に代わるべき電源としては、49%が「風力」を挙げており、最も人気の高い選択肢となった。以下、「水力」がその半分の25%。「太陽熱」が22%で続いている。

 また、核兵器の解体から出た放射性物質を希釈して国内の商業炉で利用する案については、「非常に良い考えだ」とする人の割合が37%と最大で、「割と良い考え」との見解の持ち主も18%存在した。ただし、この案に対して「全然よくない」と答えた人の割合も22%を数えており、以下、「わからない」という回答が12%、「良いとは言えない」は11%に上っていた。 さらに、この冬季にスウェーデン国民が電力不足と電力料金の値上げに見舞われたという事実を踏まえ、「今後の電力不足に備えてスウェーデンは原子力発電を現在のレベルで維持すべきか?」と質問したところ、「絶対にそうすべきだ」との回答は44%に、「ほぼそうすべき」と答えた人の割合は33%に達した。一方、「開発すべきでない」は12%、「絶対にそうすべきではない」とする人の割合は9%と少数派に留まっている。


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