[原子力産業新聞] 2003年6月12日 第2189号 <3面>

[米・DOE] 閉鎖作業で2社選定 ロシアのプル生産炉

 米エネルギー省(DOE)は5月27日、ロシアに残存する核兵器級プルトニウムの生産炉を閉鎖するため、作業の請負企業としてワシントン・グループ・インターナショナル(WGI)社とレイセオン・テクニカル・サービス社を選定したことを明らかにした。

 ロシアのセベルスクとジェレズノゴルスクには現在、1日半に約1個の核弾頭製造が可能なプルトニウムを生産できる3基の原子炉が現存しており、これらを取り除くことはブッシュ政権の核不拡散プログラムの中でも重要なステップと位置付けられている。このため米ロ両国は今年3月、これらの原子炉を閉鎖し、化石燃料による電熱併給施設と取り替えることで協力協定をウィーンで締結。今回、具体的な閉鎖作業の開始に当たり、DOEの国家安全保障局がWGIとレイセオンを総額4億6600万ドルの契約発注先として選定したとしている。

 WGIはセベルスクでの作業を担当することになっており、プル生産炉の閉鎖が完了するまでの5年間で既存の石炭火力発電所ボイラーやタービン発電機の取り替え、新型高圧ボイラーの設置、燃料供給システムの完成と産業用熱供給システムの刷新などで支援を行う。一方のレイセオン社はジェレズノゴルスクの担当で、8年計画で電熱併給ボイラーや燃料取り扱いシステム、温水パイプラインの供与など、新たな化石燃料発電施設の建設を支援することになっている。

 DOEとしては今月末までに両社との最終契約を交わしたい考えだ。


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