[原子力産業新聞] 2003年6月19日 第2190号 <2面>

[原産] 第52回通常総会開く

 日本原子力産業会議は18日午後、東京・千代田区の日本工業倶楽部で第52回通常総会を開催(=写真)、平成14年度の業務報告と収支決算案および平成15年度事業計画と収支予算案の承認を受けた。その後、劇作家で東亜大学学長の山崎正和氏が「国際化と日本文化」と題して特別講演を行った。

 総会には原産会員102名が参加、来賓として、細田博之・科学技術政策担当大臣、渡海紀三朗・文部科学副大臣、寺坂信昭・経済産業省資源エネルギー庁電力ガス事業部長の各氏が出席。細田大臣は「オイルショックから30年間でGDPは2.3倍、自動車は6倍に増えたが、石油輸入量は13%減少した」と原子力発電導入の成果を評価、安全性についても「島根原子力発電所から9キロメートルの場所に自宅があり、安全を信じて生活している」と挨拶した。

 開会挨拶に立った西澤潤一・原産会長は、首都圏の電力不足回避に向けた会員の節電への協力に感謝、「原子力安全に信頼を持ってもらうための顧客は国民」であることを再認識し、事業者自ら経営健全化のために、総合的な品質マネジメントを展開する必要性を強調、電気事業にとっても、地元や国民から、信頼される企業としてあり続ける上で必要不可欠と述べた。

 西澤会長は、文明としての原子力が人間社会と調和する重要性を指摘、原子力に対する社会の厳しい雰囲気も踏まえ、原子力開発における諸懸案は社会との調和無くしては「具体的ビジョンを描くことが難しい」とし、責任ある行動を求めた。また原子力界が「原子力村」とも言われる閉鎖社会から脱皮し、体質改善と徹底的な情報公開を通じて、信頼回復に全力をつくすよう求めた。

 この後、宅間専務理事より2つの議案が説明され、原案どおり承認。次に、「国際化と日本文化」と題して、山崎正和氏が特別講演を行った。(特別講演の概要は次週号に掲載の予定)


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