[原子力産業新聞] 2003年6月19日 第2190号 <5面>

[原子力安全・保安院] 制度改正、9月に説明会

 原子力安全・保安部会の原子炉安全小委員会(委員長=班目春樹・東大院教授)は12日、維持規格2000年版の技術評価報告書への意見公募結果と、その反映事項等を審議し、基本的に了承した。

 この日の小委で、原子力安全・保安院は今後、維持規格2000年版の規制制度への適用を含め、健全性評価制度を導入した新たな規制制度構築にあたっての技術的な検討課題をあげるとともに、維持規格2000年版に続いて機械学会がまとめた維持規格2002年版の技術評価についても同小委で検討を行う等、今後の進め方について委員から意見をきいた。

 また保安院は、今回の制度改正についてのシンポジウムを九月に東京で開くほか、地方自治体を対象にしたセミナーを今夏にも各地で実施し、制度改正の内容を広く説明、国民各層からの意見をきく活動を予定していることを説明した。

 続いて小委は、日本機械学会の「設計・建設規格」に関する技術評価についての検討を行った。

 同規格は、わが国の原子力発電設備の構造等を定めた技術基準「告示501号」を基礎に、国内の試験研究の成果や米国機械学会などの最新の技術情報をもとに作成されたもので、1998年に同学会が専門の分科会を設けて検討を重ね、2001年の8月までに公衆審査を経てとりまとめていた。内容的には、原子炉容器、ポンプや配管など構造物を重要度ごと分類してその設計・建設の規格を定め、従来の告示501号に比べて基本的に設計製作と維持への適用を切り分けたことや、引用する形で耐震設計を取り込むなど、最新の知見を盛り込んだものになっている。保安院は、同規格の規制制度への適用にあたり技術評価を行い、その技術評価書について原子炉安全小委に設けたワーキンググループの妥当性検討に付していた。同小委は、その検討結果をもとに、「告示501号で要求する性能と項目上の対応がとれている」とする評価や、盛り込んだ耐震性に関する規定などについても技術的に問題ない、とする一連の保安院の評価について、内容は妥当なものとの見解をまとめた。同技術評価は17日から意見公募に付された。


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