[原子力産業新聞] 2003年6月19日 第2190号 <5面>

[東京電力] 使用済み燃料プールから落下物回収 福一・4号機

 東京電力は11日、定期検査中の福島第一原子力発電所4号機の使用済み燃料プールで落下物を発見したことを明らかにし、15日までに落下物をすべて回収した。同4号機(BWR、78万4000キロワット)は、昨年の12月2日から第19回定期検査を実施中だが、今月6日にシュラウド補修作業の終了に伴い、燃料装荷に先立って使用済燃料貯蔵プール内の燃料集合体の目視点検を行ったところ、燃料集合体の上に円筒状の落下物一個と、微量の光沢を持った金属粉とみられるものを確認した。

 水中カメラなどを用いて落下物の調査を行った結果、燃料集合体の上部や使用済燃料貯蔵ラック脇のプール底部などに計9個の部品(制振用の円筒状のゴム4個、ボルト2本、座金3個)を確認し回収した。

 回収した部品を調査した結果、この部品は、シュラウドの補修作業で発生した研削粉の回収に使用していた水中ポンプの取り付け部品の一部が外れたものと判明した。また、光沢を持った金属粉とみられるものは、シュラウド補修作業により発生し回収されたシュラウドの研削粉の一部だった。その後の追加調査で15日までに、使用済燃料プール内の燃料ラック下部に平座金1個の存在を確認し、回収した。水中ポンプから落下した部品全ての回収を終了した。研削粉についても安全上問題ないとみられるが、可能な限り回収を行う方針。


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