[原子力産業新聞] 2003年6月19日 第2190号 <6面>

[東京電力] 保安規定違反の再発防止策報告、保安院に

 原子力安全・保安院は16日、東京電力から福島第一原子力発電所3号機の制御棒一本引き抜きに伴う試験において、保安規定に違反する事項が認められた件について報告を受けた。同院は先月19日に、東京電力に対し昨年度の第四回の保安検査結果として、福島第一原子力発電所3号機の制御棒一本引き抜きに伴う試験で保安規定に違反する事項が認められた旨を通知し、併せて事実関係、原因の究明を行うとともに再発防止対策を講じ、これを報告するよう指示していた。同院として、今後、速やかに報告の内容を分析し、必要な対応をとる方針。

 東京電力の報告によると、今年2月28日の制御棒スクラム機能検査に伴い、原子炉停止中は一本の制御棒しか引き抜けないインターロック の確認をしたが、通常一本しか引き抜けない制御棒の2本目も引き抜けたためにインターロックが解除された状態であることが判明。責任者である当直長がその後、インターロックの復旧等を行った。

 同社はインターロックが解除されていた原因の調査を行ったところ、2月26日の原子炉圧力容器復旧作業に伴う措置でインターロックが解除されたが、当直長に報告されておらず、その後の作動確認も十分でなかったことがわかった。

 東京電力では、このため再発防止策として、保安規定に係わるインターロック解除に関する統一ルールの整備やインターロック作動確認における管理方法の改善、制御棒操作を伴う検査における責任所掌確認の再徹底、運転員の教育・訓練、などの再発防止策をまとめ、保安院に報告した。


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