[原子力産業新聞] 2003年6月26日 第2191号 <1面>

[東京電力] 300〜650万kW供給力不足 需給見通し

 東京電力は19日、当面の電力需給見通しを発表。柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の営業運転開始などで、6月後半は需給バランスを「何とか保てる見込み」である一方、夏期については依然、供給力不足との見通しを示した。

 同見通しでは6月後半〜8月にかけて、同社の原子力プラント全17基中15基が停止している状態が続いたと仮定。その際の電力供給力――具体的には6月下旬=5400万キロワット、7・8月=共に5800万キロワット――に対し、予想される電力需要を比較する形で見通しが示されている。

 それによると6月後半に高需要が発生した場合には100万キロワットの不足が見込まれるが、受給応援融通、試運転電力、自家発電余剰の購入などといった検討・調整中の追加供給力を活用すれば、「需給バランスを何とか保てる見込み」としている。しかし追加供給力対策には不安定要素が多いこと、気温上昇リスクなどを考慮した場合、「300万キロワット程度の予備的供給力を確保したい」としている。

 一方、このまま原子力15基の停止が続いた場合、「7月上旬から受給が逼迫する可能性がある」としており、追加供給力を最大限活用することや、供給調整契約による需要の抑制などにより「安定供給を確保する考え」としているものの、7、8月はともに通常時で300万キロワットの、高需要時では650万キロワットもの供給力不足を予測。設備トラブル時に対応する予備的供給力も含め、「更に原子力プラント6〜8基程度の運転再開を目指す」としている。


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