[原子力産業新聞] 2003年7月10日 第2193号 <3面>

[フランス] フェニックス、5年ぶり運転再開

 フランスのマルクールにあるFBR原型炉・フェニックス(25万キロワット、=写真)が、6月15日午前0時30分、およそ5年ぶりに運転を再開した。

 約2億5000ユーロ(340億円)の費用をかけた大規模な補修点検および安全性改善プロジェクトが終了。原子力施設の許認可ならびに放射線防護を担当する原子力安全・放射線防護総局(DGSNR)による承認を受けて、51サイクル目の運転に入った。

 1999年から実施された改修では、蒸気発生器の部品の一部をはじめとした様々な機器の交換が行われたほか、安全性の改善のために耐震性向上やナトリウム火災対策の補強などの対策がとられた。

 今後は、閉鎖予定の2008年までに長寿命核種の変換に関する12の実験プロジェクトや、第4世代炉開発の国際プログラムに関連した実験が行われる。長寿命核種変換の実験については、06年に仏議会が高レベル廃棄物の処理処分方法について国としての対策を討議・決定する予定であるため、成果の提供が義務付けられている。


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