[原子力産業新聞] 2003年7月31日 第2196号 <3面>

[米・DOE] 高濃縮ウランから発電用燃料を製造

米エネルギー省(DOE)の国家核安全保障管理局(NNSA)とサバンナリバーサイト(SRS)は、核兵器に利用可能な高濃縮ウランを天然ウランと混合して低濃縮ウランにし、発電用燃料として利用する計画を進めており、7月中旬にこの第1回目の出荷が行われた。エイブラハムDOE長官は、冷戦時代から引き継いだ核物質を平和利用に転換するものだと同計画を評価している。

冷戦終了時、SRSは高濃縮ウランの生産を終了したものの、33トンを超す高濃縮ウランが残された。

1994年には、この高濃縮ウランを含め、全国に174トンのウランがあったが、米大統領は、これらの核物質が国家安全保障上必要ないと宣言。核不拡散の目標の下、これらの物質の処分方針を決定するため、核分裂性物質処分局(現在はNNSAの一部)が設立された。

1997年にDOEは、TVAと覚書を交換し、その後ニュークリアフュエル・サービシーズ(NFS)社やフラマトム社と契約、商業用核燃料の生産を始めた。SRSで高濃縮ウランを処理した後、TVAが供給する天然ウランと混合、低濃縮ウランにする。この低濃縮ウランはNFS社で酸化物に転換され、TVAのブラウンズフェリー発電所(110万キロワット級BWR3基)用の燃料集合体に成形される。この作業は2007年まで継続される。


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