[原子力産業新聞] 2003年7月31日 第2196号 <4面>

[原子力システムネットワーク] 「ネットワーク」構想

「原子力教育システムネットワーク(Nes Net)」(=上図)は、大学、研究開発機関、産業界において実施している教育機能を中心にしつつ新たな教育機能を設立し、これらをネットワークで結合するシステムである。スタート時点では、Nes Netの基本骨格を構築するとともに「教育訓練情報センターの設立」と「連携大学院の充実」を行い、同ネットを早期に立ち上げる。順次、保修技能訓練センター、基幹技術者育成コースを加え、総合的な教育システムとする。

@創設の目的

産業界にとっては、原子力専攻技術者、非原子力専攻の技術者に対する入社後の再教育、保修技能者、作業者に対する実務教育、保修アライアンスに向けた資格認定。大学にとっては原子力関連教育、実地研修の充実、研究機関には研究開発能力の強化。

A構成―3つのセンター・コース

(1)基幹技術者育成コース

将来の原子力開発を担う学生の教育訓練を行うため、「基幹技術者育成コース」を開設。主に、現状技術の高度化、新技術への挑戦、新領域への挑戦等、魅力ある産業創出に向けた研究者・技術者の育成を進める。

(2)教育訓練情報センター

現在各企業が自己完結的に運用している教育体系・施設等を相互にオープン利用できるよう、情報を一元化してウェブサイトに掲載、利用者への案内、審査、受入、登録、費用請求等を処理できるシステムを立ち上げる。

(3)保修技能訓練センター

各施設に共通する入所時教育の合理化、作業員の実技訓練、OJT指導員・作業責任者・作業管理者に対する教育メニューの制定、共通の教育体系を追求。将来的に資認定制度の検討・導入を目標とする。

BNes Netの運営

全センター、コースに共通して、既存の教育施設の有効活用を原則とし、ネット上の運営を基本とする。実地教育は各機関のカリキュラムや施設を相互活用、講師も相互派遣する。コアとなる教育訓練情報センターを早期に立ち上げることとするが、スタート時はニーズのある組織の相互連携から始め、マルチ・フレームには拘らないものとし、発展型としてはバイ・フレームからマルチ・フレームへ自然体として展開する。事務局機能は当面3つのセンター、コースについて個別に考えるが、コストミニマムを追求する。

C人材活用の高度化

同ネットの運営にあたっては、原子力OBも含め各セクターの有する人材を適時、適切に活用し、実をあげていくことが重要。


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