[原子力産業新聞] 2003年8月7日 第2197号 <2面>

[巻町] 町長が3選不出馬表明

【4日共同】東北電力が新潟県巻町に建設を計画している原子力発電所に反対の立場を取ってきた笹口孝明町長(55)は4日、来年1月の町長選に3選出馬しないと表明した。

 笹口町長は1996年1月に初当選。同8月、原子力発電所建設の是非を問う全国初の住民投票を実施、反対票が6割を超えた。

 会見した笹口町長は「家業(の酒造業)に専念したい」と理由を説明。

 笹口町長は、隣接2村との合併協議で、原子力発電所をめぐる住民投票実施を求めたが断られ、協議を打ち切った。このため原子力発電所・合併推進派が過半数を占める町議会は、合併の賛否を問う住民投票条例案を何度も可決、その度に町長が再議権を行使、廃案にする事態が続いている。

 また原子力発電所推進派町議らは、建設予定地内の町有地を反対派住民らに売却した笹口町長らを相手に、所有権移転登記抹消などを求めて提訴。一、二審とも請求を棄却され、最高裁に上告している。


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