[原子力産業新聞] 2003年8月7日 第2197号 <4面>

[運転速報] 7月利用率は55%へ上昇

 日本原子力産業会議の調べによると、7月のわが国原子力発電所の設備利用率は、55.0%へ増加し、顕著な上昇傾向を示した。時間稼働率も54.8%と前月より約7ポイント上昇した。これは7月中に、定検入りした発電炉がなく、5基が運転を再開したため。

 炉型別では、PWRは94.3%で前月の84.1%から約10ポイント上昇、BWRも16.2%と前月より6.6ポイント上昇した。

 7月中に運転を再開したのは、女川1号機、福島第一6号機、柏崎刈羽4号機、大飯4号機、伊方1号機の5基で、夏の電力危機回避に向けて大きく前進することとなった。本紙既報のとおり、女川1号機と柏崎刈羽4号機は、それぞれ炉心シュラウドまたは原子炉再循環系の「ひび」問題で、経済産業省の安全宣言を経て、運転を再開したもの。

 7月に利用率が高かった電力会社は、北海道電力(写真は泊発電所)が102.3%の高利用率をマーク、次いで九州電力の101.5%、関西電力の89.8%、四国電力の88.2%。

 原子炉別では、先月と順位が逆転し伊方3号機が104.4%の最高の利用率を達成、次いで高浜1号機(104.3%)、高浜4号機(104.0%)。高浜発電所は、2、3号機も102%を超える高利用率だった。

米国の6月利用率は88.7%

 米国の原子力エネルギー協会(NEI)の調べによると、6月の米国の原子力発電所の設備利用率は88.7%で、昨年同期を4.0ポイント上回った。1月〜6月の利用率は84.9%で、前年同期比3.1ポイントのマイナスだった。


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