[原子力産業新聞] 2003年9月4日 第2200号 <3面>

[イラン] 輸入機器で濃縮工場を建設

【イスラマバード8月29日共同】パキスタンを訪問したイランのハラジ外相は29日、イスラマバードで記者会見し、イランが「外国から輸入した機材」を基に、濃縮ウラン製造施設を建設したことを明らかにした。

 27日付の米紙ワシントン・ポストは、イランが国際原子力機関(IAEA)に対し、同国中部ナタンツの核施設建設の際に濃縮ウランを製造するガス遠心分離機を外国から購入したことを認めたと報じていた。

 外相は、イランの核計画の透明性やIAEAの査察への協力姿勢を強調し「この施設が兵器開発に使われる可能性はない」と述べた。

 同紙はガス遠心分離機の購入先としてパキスタンの可能性が濃厚と伝えたが、ハラジ外相はパキスタンの関与を明確に否定。「外国から輸入した」と述べるにとどめた。

 イランは濃縮ウラン製造を全面的に否定していたが、IAEAは7月の査察でナタンツのガス遠心分離機から微量の濃縮ウランを検出。

 会見で外相は「外国」から輸入した機材が輸入当初から濃縮ウランに汚染されていたのが原因だと述べた。


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