[原子力産業新聞] 2003年9月11日 第2201号 <2面>

[IAEA] イランにウラン濃縮関係の情報を要求

 イランの核開発問題を焦点に、国際原子力機関(IAEA)理事会が8日、ウィーンのIAEA本部で始まった。

 理事会の冒頭、エルバラダイ事務局長は、「イランの原子力開発計画については以前よりも理解が進んだ」としながらも、イランが1980年代中期に、国産と輸入機器を使って大規模な核燃料サイクル研究開発を開始したとし、この全容解明が必要だとした。

 イランが今年7月以来、IAEAへの情報提供で協力を進め、また保障措置追加議定書締結でも交渉の意志を見せるなど柔軟姿勢を示しているが、エルバラダイ事務局長は@高濃縮ウランに汚染されている輸入機器の輸入元や日時を含む完全なリストA遠心分離機の試験が行われたと結論付けたIAEAへの回答Bウラン転換試験の全容――等、特に高濃縮ウラン製造疑惑での情報提供を求めた。

 この上で、イランの原子力計画の透明性を増すため、追加議定書の締結と発効を早急に求めた。


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