[原子力産業新聞] 2003年9月18日 第2202号 <3面>

[IAEA] イラン問題で決議

10月末までに問題解決を要求

 国際原子力機関(IAEA)理事会は12日、イランに対して、10月末までに、これまで指摘された保障措置協定への違反を修復し、保障措置協定にもとづきIAEAが転用された核物質はないと判断できるよう、IAEAに全面的な協力を行うことを求める決議案を採択、閉幕した。同決議は同時にイランが保障措置協定追加議定書を「即時かつ無条件」に署名、批准し、完全に実施に移すよう求めている。

 決議は特に、@ナタンツでの環境サンプリングで2種類の高濃縮ウランの存在が明らかになったことAカライ電気会社の施設に以前の査察時から大規模な改造が行われており環境サンプリングの正確さに影響を及ぼす可能性があることBイラン側からIAEAへの説明に大きく実質的な変化があり、未解決の問題はかえって増加したことC6月理事会での声明にもかかわらず、イラン側がナタンツのパイロット濃縮工場カスケードに核物質を導入したこと――などを「懸念を持って」指摘。問題発覚から1年以上経つにもかかわらず、未だにIAEAが、「全ての核物質が申告され、国内に申告されていない原子力活動はない」と宣言できないことに「深い懸念」を示している。

 この上で、今回議論の焦点となった「10月末までに」との期限を付けて、@濃縮計画に関わる全ての輸入された核物質及び機器の申告AIAEAに全施設への制限なしの立ち入り許可の付与B遠心分離機開発時のプロセステストに関する情報Cウラン転換に関する完全な情報提供――など、IAEAに協力し明らかにするよう求めている。

 さらに、イランに協力した「第三国」に対しては、IAEAの調査に協力するよう求め、一方IAEA事務局長に対して、今年11月までに本決議の実施状況の報告を要求、11月20日からの次回理事会で「最終的な結論」を出すとし、状況によっては国連安保理への付託等の行動を取ることを示唆している。

イラン副大統領は強く反発

 IAEA理事会が12日に採択した決議について、イランのアガザデ副大統領(原子力庁長官)は、15日から始まったIAEA総会で演説し、「多国間主義の仮面をまとった極端な片務主義」と同決議に激しく反発、「決議は、決して完全に履行できないようにわざと作られている」と非難しつつも、「我々は決議を詳細に検討しており、数日のうちに公式の回答を出す」と述べた。

 一方、包括的保障措置協定にもとづくIAEAとの協力は「従来通り続ける」とし、保障措置追加議定書締結についても「政府がすでに宣言しているように、IAEAとの交渉を続ける」とアガザデ副大統領は述べている。


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