[原子力産業新聞] 2003年10月2日 第2204号 <3面>

[米国] 2電力が早期サイト許可申請

 米国の電力会社エクセロン・ジェネレーション社とドミニオン・エナジー社は、9月25日、米原子力規制委員会(NRC)に原子力発電所立地のため早期サイト許可(ESP)を申請した。エクセロンはイリノイ州で運転中のクリントン原子力発電所(97万キロワット・BWR)の隣接地を、ドミニオンはバージニア州で運転中のノースアナ原子力発電所(97万キロワット・PWR2基)サイトで、初のESP申請を行った。NRCは2005年にESPの審査を終える予定。

 ESPは、あらかじめ候補サイトの適合性についてNRCに審査してもらい、原子力発電所の建設に適合するとの許可を取得しておくもので、電力会社が建設を決定した際、その後のプロセスを迅速化し、コストを下げることになると期待されている。EPSは「2段階制許認可」の第1段目として導入されたが、これまで利用した事業者はいない。事業者が原子力発電所建設を決めた場合、第2段階として建設・運転に関する「統合運転認可」を得る必要がある。

 今回の2社による初のESP申請は、この新プロセスの実効性を試すことになる。ESPは発給後、20年間有効で、さらに20年間延長も可能。エクセロン、ドミニオンの両社とも、現在のところ、これらのサイトに原子力発電所を建設する計画はないとしている。エクセロン・ニュークリアのJ・スコルズ社長は、クリントン・サイトを申請した理由について、同サイトがもともと原子力発電所2基用に計画されていたほか、「原子力で経験を積んだ労働力があり、またこのサイトは送電網に近く、発送電上、戦略的な位置にある」と説明している。

 米エネルギー省(DOE)は、2010年代に改良型原子力発電所の運転を開始する「原子力発電2010構想」を作成、米電力のESPを支援しており、2002年6月にはドミニオン、エクセロン、エンタジーの3社が支援対象に選び、ESP手続きにかかる費用の半額を上限に、4年間で1700万ドルまで補助している。また、米原子力エネルギー協会(NEI)も産業界側から、NRCと電力会社との間に立って、審査プロセスの不明確な点を明らかにするなど支援を行ってきた。

 残る1社のエンタジーも現在、グランドガルフ原子力発電所(131万キロワット・BWR)サイトでESPを申請すべく、準備中。NRCはこれらの3か所のサイトで、公衆への情報提供のための会合をすでに開催している。


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