[原子力産業新聞] 2003年10月9日 第2205号 <2面>

[原子力安全委] 「申告」調査等で処理方針

 原子力安全委員会は、原子力の安全確保における社会的監視機能としての申告(内部告発)制度の有効性を重視、また原子炉等規正法が改正され原子力安全委員会に対しても申告ができることになったことを受けて、申告の調査等の処理に係る方針を定め、具体的処理を進めることとし、このほど、処理手続きに関する取りまとめを公開した。

 これは「原子力利用活動の安全性に関する申告制度」と呼称、申告情報を原子力施設の安全の確保および原子力安全行政に対する国民の信頼の確保に有効に活用することを目的とし、申告があった際の迅速かつ機動的な調査、事実関係の調査と必要に応じた規制官庁に対する勧告等の措置、処理件数の定期的な公表と案件の早期公表、申告者のプライバシー保護等の処理方針を決めている。

 申告の受付は、電話またはFAX、郵便、電子メール、面会等で行い、申告の対象範囲は原子炉等規正法違反や原子力活動の安全性に関するものに限られる。委員会事務局が申告を受け付けた後は、5日以内に委員会を開催し、委員会が受理の諾否を決定する。

 委員会が受理の諾否を決定した後は、申告者に対する諾否の通知、委員会事務局による処理方針案の検討、委員会における処理方針の審議、申告案件に関する調査が引き続いて行われる。

 申告制度の運用状況については、処理中件数、処理済件数を集計した上で公表し、また個別の申告案件は公表の内容、方法およびタイミングを勘案し、公表するとしている。その際、申告者保護の観点から申告者の名前が特定されることのないよう最大限の注意を払うとともに、原子力事業者に対しても問題が生じる恐れがないかどうかを考慮して公表内容を決定する。

 なお、今後、個別の申告案件処理の実績を踏まえ、必要に応じて手続き内容を見直すとしている。


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