[原子力産業新聞] 2003年10月16日 第2206号 <1面>

[原産] FNCA、放射線利用で意識調査

 日本原子力産業会議はこのほど、日本を含むアジア7か国の高校生の放射線利用に対する意識調査の結果を発表した。これは、アジア原子力協力フォーラム(FNCA)活動の一環として、日本、中国、インドネシア、韓国、フィリピン、タイ、ベトナムなど七か国が、2003年に7700名の高校生を対象に合同調査を行い、FNCA原子力広報プロジェクトのタスクフォース(主査・田中靖政学習院大名誉教授)が結果を取りまとめたもの。日本では在京の8高校・1156名が調査対象となった。

 これによると、放射線に対する関心としては、「とても関心がある」と「関心がある」と答えた生徒の割合は、インドネシアが95.2%と最も高く、次いでフィリピン(93.8%)、タイ(89.7%)、中国(82%)、韓国(80%)、ベトナム(77.8%)。日本は最下位の64.2%。

 放射線に対するイメージとしては、各国とも「危険なもの」「将来性がある」「役に立つ」という正と負のイメージが混ざったものが上位3位を占めたが、フィリピンやインドネシアのように「身近である」が上位の国もあり、学校教育やメディアの影響を伺わせている。

 放射線と聞いて思い浮かべる具体的なイメージとしては、多くの国で「原子力発電」「レントゲン写真」「広島・長崎(核兵器)」「がん治療」などが上位3位を占めたが、中国のように「キュリー夫人」「品種改良」が上位の国もあり、放射線に関する学校教育の成果が伺える国もあった。

 科学技術に関する情報源は、いずれの国もテレビ・ラジオが圧倒的に1位で、次いで、国によって、新聞(インドネシア、日本、タイ、ベトナム)、インターネット(韓国、フィリピン)、科学雑誌・書籍など。開発途上国が多いにもかかわらず、インターネットが7か国中4か国で上位3位に入るなど、新メディアの影響力の強さを実証する結果ともなった。


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