[原子力産業新聞] 2003年10月16日 第2206号 <2面>

[東京電力] 福島第一・2号機で圧力抑制室に異物

 東京電力は9日、3月31日より第20回定期検査を実施している同社の福島第一原子力発電所2号機(BWR、78万4000キロワット)原子炉建屋の圧力抑制室において、異物(足場材およびロート等)が発見されたことを明らかにした。

 これら異物は、9月11日から実施している水中作業試験で発見されたもので、9月17日に針金を発見したのを最初に、その後10月1日から8日までの期間、水中ロボットにより圧力抑制室全体の点検を実施し確認したという。

 圧力抑制室は原子炉格納容器の下部にあり、原子炉格納容器内圧力が蒸気等で上昇した際に、同室内に導いて冷却することで原子炉格納容器内の圧力を低下させるほか、原子炉冷却材喪失事故時の非常用炉心冷却系(ECCS)の水源として、水を貯蔵してある設備。東電によれば、異物のうち足場材とロート、シートの切れ端やアルミテープ等についてはすでに回収済みで、安全上問題となるものは確認されていないという。

 14日現在では引き続き異物の回収等を実施中だが、回収作業に伴い新たな異物(足場用クランプ一個,アルミテープ、ひも状のもの等)を確認したため、引き続き構造物の陰となる部分の点検、異物の回収および圧力抑制室で行った工事の状況の調査等を実施するとしている。

 なお同社は、現在停止しているプラントについて原因調査の一環として、念のため圧力抑制室の点検を実施することとし、順次点検を開始している。


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