[原子力産業新聞] 2003年11月6日 第2209号 <1面>

[総合資源エネ調査会検討小委] 中間貯蔵に1兆100億円

 経済産業省は5日、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会のコスト等検討小委員会(近藤駿介委員長)の第3回会合を開き、電事連から@返還廃棄物管理費用A使用済燃料輸送費用・中間貯蔵費用Bウラン濃縮工場バックエンド費用C高レベル放射性廃棄物の輸送・処分費用――などの見積もりについて説明を受け、意見交換した。

 返還廃棄物管理費用は、再処理を委託しているCOGEMA社(仏)とBNFL社(英)からの廃棄物返還に係わる費用。高レベルと低レベル廃棄物の合計で8800億円。高レベル廃棄物が3000億円で、内訳は返還輸送費200億円、貯蔵費2700億円、貯蔵管理施設廃止措置費130億円など。低レベル廃棄物が5800億円で、同じく1400億円、3500億円、460億円など。貯蔵費は2049年まで発生する。原子力発電コストへの影響はキロワット時あたり0.054円(割引率3%の場合)。

 使用済燃料輸送費用・中間貯蔵費用は、使用済燃料の再処理あるいは中間貯蔵施設への輸送に係わる費用および中間貯蔵に係わる費用。合計は1兆9600億円。輸送費が9500億円で六ヶ所向け5400億円、中間貯蔵施設向け4100億円など。中間貯蔵費用が1兆100億円でキャスク費5700億円、運転費1200億円、キャスク解体・処分費1700億円など。2046年までに再処理施設に3万1000トン、中間貯蔵施設に2万4000トンを輸送すると想定。原子力発電コストへの影響はキロワット時あたり0.127円(同)。

 ウラン濃縮工場バックエンド費用は遠心機や周辺設備の撤去、処理、輸送、処分などに係わる費用。合計2440億円、撤去費290億円、処理費1380億円、輸送・処分費390億円、廃止措置費380億円など。原子力発電コストへの影響はキロワット時あたり0.011円(同)。

 高レベル放射性廃棄物の輸送・処分費用は、放射能レベルの高い廃液をガラス原料とともにキャニスタで地層処分するための費用。合計2兆7500億円で輸送費1900億円、処分費2兆5600億円など。原子力発電コストへの影響は現行の拠出金の割引率2%を適用した場合、キロワット時あたり0.122円。


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