[原子力産業新聞] 2003年11月6日 第2209号 <3面>

[KEDO] 一時停止で合意

【ニューヨーク4日共同】朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)は4日、日米韓3か国と欧州連合(EU)によるニューヨークでの2日間の非公式理事会を終了、北朝鮮での軽水炉建設事業を一時停止することで合意した。KEDOのカートマン事務局長はその後、今回合意を北朝鮮国連代表部の朴吉淵大使に直接伝えた。各国はこの合意を本国政府に持ち帰り、理事国間の書面による協議などで一時停止を正式に決定、今月21日までに発表する。

 KEDO筋によると、停止期間については、軽水炉の主契約社である韓国電力との契約書に基づき1年間とすることで各国の共通認識ができている。

 北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議再開へ向けた機運が高まる中、今回の合意に北朝鮮が反発するのは必至。別のKEDO筋も理事会終了後「懸念がないわけではない」と語っており、6か国協議や再開見通しの立たない日朝交渉の行方にも影響を与えそうだ。

 カートマン事務局長が近く訪朝する案については、日本などが北朝鮮側の理解を得るため訪朝の必要性を主張したが、6か国協議前の訪朝を北朝鮮側に政治利用されたくない米国が難色を示したもようで、今会合では訪朝を先送りした。

 KEDO筋によると、理事会では1年間の事業停止を来年以降も継続することで事業の存続が可能との意見も出されたが、米国が事業終了を求めているほか、日本も事業継続では国内世論が納得しないと判断しており、今後6か国協議で進展がなければ、事業の存続自体も危ぶまれる事態となった。

 軽水炉は、1997年に北朝鮮の咸鏡南道琴湖地区で着工されたが、工事が遅れ、2003年の完成予定が大幅にずれ込んでいる。


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