[原子力産業新聞] 2003年11月13日 第2210号 <2面>

[福井県調査委] 「もんじゅは安全」と最終報告

 核燃料サイクル機構「もんじゅ」の安全性を確認するため、福井県が独自に設置している「もんじゅ安全性調査検討専門委員会(座長=児嶋眞平福井大学教授)」は10日、敦賀市内で第19回会合を開き、「『もんじゅ』は工学的に安全であり、改造工事の実施により、その安全性は一段と向上する」旨の最終報告書をとりまとめた。

 最終報告書は、9月に同委が取りまとめた報告書原案を、パブリックコメントで寄せられた意見を下に修正したもので、主な加筆としては、「結論」の部分において、「『もんじゅ』のような大規模な工学システムは、異常の発生や構成機器の故障を皆無に出来ないため、これらを速やかに検出し、随時、修復しながら信頼性や安全性を維持」しており、仮に異常や故障が発生した際にも、その発生を早期に検出し、運転を継続しながら修復できないような場合には、原子炉は確実に停止される設備となっていると明記。「炉心崩壊事故は起こらないと判断」との一文も加えられている。

 一方でまた、県民に不安感を与えないため、今後も継続して緊急時訓練などを行うよう求める一文も加えられている。

 同報告書は、近く西川一誠福井県知事に提出される見通しだ。


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