[原子力産業新聞] 2003年11月13日 第2210号 <3面>

[ロシア] 協力再開の意向

【モスクワ10日共同】イランのロウハニ最高安全保障委員会事務局長は10日、モスクワでロシアのプーチン大統領と会談、ウラン濃縮を同日から一時的に停止することを決定したと伝えた。

 濃縮停止の具体的な日付をロシア大統領に告げた背景には、イラン・ブシェール原子力発電所建設などロシアとの原子力分野での協力関係の維持、強化を図る思惑があるとみられる。ロウハニ事務局長は会談後、ブシェール原子力発電所1号機に加え、2号機の建設についても近くロシア側と協議を始める意向を明らかにした。

 事務局長は大統領に「ウラン濃縮はイランの法的な権利だが、停止する」と言明。「今後、国際社会からの信頼をさらに強めるために努力する」と語った。

 プーチン大統領はイランの決定を歓迎。「イランとの原子力分野での協力に何の障害もなくなった」と述べた。ロシアはブシェール原子力発電所の使用済み燃料の引き渡し協定調印を急ぎ、核開発問題で停滞していた原子力協力を加速するとみられる。


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