[原子力産業新聞] 2003年11月13日 第2210号 <3面>

[四国電力] ひびの原因はテープのはがし忘れ

 9月19日から第7回定期検査中の、四国電力・伊方発電所3号機の配管にひびが見つかった問題で、同社は10日、建設時に行った耐圧・漏洩検査終了後、養生に使用した塩化ビニールテープのはがし忘れが原因とする報告書を、愛媛県に提出した。

 2000年10月に発生した、「1号機充てん配管耐圧検査中の漏えい」事象における塩化物応力腐食割れの水平展開として調査が行われた結果発見されたもので、同社では@ひびの拡大観察で粒内割れが認められたことA付着物は、塩化ビニールテープが熱分解したものと推定されることB原子炉起動/停止操作時に高温水が流れること――から、原因を「建設時の当該配管の耐圧・漏えい検査終了後、配管養生に使用した塩化ビニールテープを保温施工時に取り外すのを忘れ、これが高温水により熱分解し、塩化物応力腐食割れが発生した」と推定。ひびが確認された2箇所について、今回の定期検査で配管を取り替えるなどといった対策も、合わせて報告されている。

 なお同社では現在、ステンレス鋼製品に塩化ビニールテープは使用していない。


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