[原子力産業新聞] 2003年11月20日 第2211号 <2面>

[公害等調整委員会] D・D実験巡る公害調停打ち切り

 公害等調整委員会は12日、文部科学省・核融合科学研究所が計画している重水素実験(D・D実験)に対する地元住民による実験中止調停申請について、調停打ち切りを決定した。同委員会が示した調停案を申請人側が拒否したため。文科省では、今後とも調停案を基本に地元への説明を続け、同意を得た上で同実験を実施したいとしている。

 この調停は、2001年7月に土岐市等の住民8138人が申請人となり、同研究所がD・D実験によるトリチウム発生を隠し続け、土岐市に移転する際のトリチウム使用実験を行わないという約束に反しているとして、申請していたもの。

 これまでに非公開で10回の調停を開催。先月2日に同委員会が示した調停案は、実験安全管理計画の作成、公正中立な第三者で構成する技術評議会の設置、予備的実験による性能確認などを実験開始の条件とし、文科省はこの調停案を受け入れると回答した。


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