[原子力産業新聞] 2003年11月20日 第2211号 <4面>

[警察庁] 警備強化済みで影響なし

【17日共同】国際テロ組織アルカイダと名乗る組織が、声明で東京でのテロを警告したことに対し、警察当局は17日「本当にテロ組織が日本を狙うのか、信ぴょう性を確かめるためにもまずは情報収集が大事だ」(警察庁幹部)と冷静な反応をみせた。イラク戦争以後、国内の警備は強化されており、ただちに警備態勢を強化することはないという。

 警察庁は今年3月、米国のイラク攻撃開始を受けて次長をトップとする「緊急テロ対策本部」を設置。米国関連施設や原子力発電所など国内の重要施設の警備を約650か所に拡大、強化した。日本の対テロ警備としては過去最大規模で、現在も維持している。

 東京では、警視庁が約100か所を重点に、最大5000人規模で警戒に当たった。

 米国と連携して情報収集活動も強化。現在のところ、日本でイスラム過激派がテロを実行するような具体的な動きは把握していないという。

 声明では、自動車爆弾によるテロを予告しているが、テロ対策を担当する公安当局者は「アルカイダが今すぐ自爆テロを起こす態勢は整っていないだろう。爆弾や車両の準備期間に、最低でも半年や1年はかかる」としている。

 声明が自衛隊のイラク派遣をけん制しているとの見方に対しては、警視庁幹部は「派遣日程が明らかになれば、警備態勢を具体的に考えなければならない」としている。

 警察庁幹部は「自爆テロも含め、テロは未然に防止するのが基本。情報収集をしっかりして、入国管理局とも連携しながらテロリストを入国させないように水際対策をきっちりやらなければならない」と話している。


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