[原子力産業新聞] 2003年11月27日 第2212号 <1面>

[福井県知事] 文科・経産両大臣と会談

 福井県の西川一誠知事は、21日午後、文部科学省に河村建夫大臣(=写真)、および経済産業省に中川昭一大臣を訪ね、「もんじゅ」について同県の専門委員会がまとめた最終報告書と要請書を手渡した。両大臣からは、「積極的に取り組む」との話があったという。

 要請書は、「もんじゅ」改造工事計画について、「安全性の確保」、「地域住民の理解と合意」、「地域の恒久的福祉の実現」の三原則を提示、さらに裁判の行方、国や事業者の対応や地元の意見を総合的に検討して、「厳正に対処」するとしている。

 「安全性の確保」については、県の「安全性調査検討専門委員会」からの意見について、国が対処方針を明確に示すことを求めるとともに、品質保証体制や保守点検体制の強化、安全性向上への多角的研究、理解活動の促進と、情報公開や通報連絡体制、緊急時訓練などの充実を求めている。

 要望書はさらに、福井県を原子力・エネルギー研究開発拠点とし、原子力と地域産業が共生する「モデルケース」とするよう求め、「もんじゅ」を国際的な研究開発拠点として、県内の大学における原子力・エネルギー教育・研究環境の整備などを要望している。

 地域振興策については、「もんじゅ」に限定した特別交付金の創設、電源三法交付金の一般財源化等を要請。さらに、北陸新幹線の早期全線建設、高規格幹線道路の早期建設等を要望している。


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