[原子力産業新聞] 2003年11月27日 第2212号 <1面>

[原子力委・放射線部会] 食品照射に取組み

 原子力委員会の放射線専門部会(部会長=竹内哲夫原子力委員会委員)は20日、第3回会合を開き、農業・食品分野の放射線利用について関係省庁の担当者を招き議論した。このなかで、竹内部会長は「農業・食品分野の放射線利用は諸外国に比べて停滞しており、現状が続けば貿易障壁につながる懸念もある」と述べ、原子力委員会として、この課題への取り組みを強める意向を示した。

 会合には農林水産省、厚生労働省、内閣府・食品安全委員会、独立行政法人・食品総合研究所などの担当者が出席。食品総合研究所は、海外における香辛料、食肉、果実への照射実績などを報告。厚生労働省は、全日本スパイス協会の照射要請とこれに対する消費者団体の反対要請、食品照射に対する国民の拒否反応などを報告した。

 委員からは、「スパイスの件は認可要請からすでに3年経過しており、この間放置され続けているのは行政の対応としてどうか」、「ニンニクの産地では発芽対策に苦慮しており、対策が望まれる」「食品安全委員会に期待する」などの意見が出された。また、木元原子力委員は「原子力委員会は厚生労働省と協力してこの課題を検討したい」と述べた。


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